おじさんマジック記1

https://mtgkuma.diarynote.jp/202008061531163955/

からのつづき

デッキができると当然のことながら人と対戦したくなる。だが対戦相手がいなかった。地元にはカードショップはない。また、小6でやや流行ったマジックは完全にすたれ、当時やっていた同級生にあたるも「まだマジックやってんの?」的にあしらわれた。しかたなくデッキ構築から1か月程一人回しをし続けた。ある日、隣のクラスの絡んだこともない奴が「マジックやっちょるっちゃろ。俺もしちょるよ。今度デュエルしようよ。」と声をかけてきた。「声でけぇよ。学校でデュエルとか言うなよ」と思った。中学3年の時期、周りはいろんな大人の階段を上っている。そんな中、おもちゃの話題で盛り上がるのはタブーだと思っていた。
 そいつの名は島木(仮名)。俺同様にいわゆる冴えない系の生徒。心の中で「ただでさえ、冴えない俺がこいつと絡んでると冴えないグループを形成してしまう。周りからのどんな目で見られるんだろう。」と心配したものの、学校以外で絡めばいいかと思い、電話番号を交換して遊ぶ約束を取り付けた。今思えば声が齋藤友◯とそっくりだった。
島木の家で初対戦。島木も対戦相手がおらずに困っていたようで、すごく明るく迎えてくれた。さて、対戦を始めるとルールが分からなくて困ってしまった。遊戯王と同じく、こちらがブロッククリーチャーを指定したりしていた。すると島木が6版のトーナメントパックについているルールブックを貸してくれて、それを見ながら対戦。丁寧に教えてくれていいやつだった。何度も対戦したが、結果は負け。ルールが曖昧、下手だったなどもあるが、大きな原因がそこにはあった。それは基本地形がないこと。初めてパックを買った時から500円たまるごとにゲーム屋に行ってパックを買っていたが、十数枚の特殊地形しか集まらず事故が起こりまくっていた。「基本地形が欲しい…」そう思った俺はデッキに使っていないカードを提示して「基本地形と交換して」と言った。島木は快く引き受けてくれた。基本地形を手に入れ、少しはデッキらしくなった。すごくうれしかった。ちなみに私のハルマゲドンは山2枚と交換された。しばらく後にゲームぎゃざを買い始めて、このトレードを激しく後悔することとなった。

つづく

コメント

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索